『酪農の学校』の日記

岡山県北にある中国四国酪農大学校の紹介ブログ

職人技

つめ切り職人の技を学ぶ。

夏休みまであと1週間。でも夏休み気分に浸るのは、まだ早~い!!!
7月23日~25日の3日間、頭と体をフルに使って、職人技『削蹄(さくてい)』を学んでもらいます!

削蹄って?

酪農大学校の第1牧場で飼われているホルスタインの平均体重は約600kg、
第2牧場で飼われているジャージーの平均体重は約450kg。
その全体重を支えているのが『蹄(てい)=つめ』。

牛の蹄も人間の爪と同じように、放っておくとニョキニョキ伸びてきます。
伸びすぎた蹄のままだと、うまく体重がかけられず、歩行困難や起立困難など
日常生活に支障を来すようになり、他の病気を招くおそれがあります。

牛の削蹄は、伸びすぎてしまった蹄を切りそろえ、牛が立ったり歩いたりしやすい状態に
してあげるためのものです。

『職人技』と言われる理由

私たち人間も「ここまで切ったら深爪!」という限度が人によって異なるように、
「ちょうど良い蹄の長さ」というのは牛によって異なります。

その牛の立ち方や歩き方、蹄の状態などから、「ちょうど良い蹄の長さ」を
見極めなければならないのです。

その「ちょうど良い蹄の長さ」を見極め、思った通りに切れるようになるまでには
かなりの歳月を要する、と言われています。

『牛1000頭削蹄したら、少しは技術が身につく』とか、
『1人で何とか削蹄できるようになるまでには最低3年はかかる』とか。

とにかく『削蹄』の仕事は“職人技”なのです。

職人に学ぶ、技の数々

3日間の削蹄実習でお世話になっているのは、酪農大学校1年生のみんな(20歳前後)が生まれるずっと前から牛の削蹄を生業とされている、ベテラン中のベテラン先生たち。
少しでもいいから職人先生たちの技を身につけて欲しいな・・・


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                   削蹄に使う道具たち。まるで大工道具のよう・・・
       牛の蹄は固く、形状も複雑なので、人間のつめ切りのように「パッチン」じゃ済まないんです。



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               トンカチのようなものと、斧のようなもので、蹄の形を整えます。


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     牛の脚を「よいしょっ!」と持ち上げて、そのまま蹄の底を削蹄用の鎌で削っていきます。


     牛は嫌がって暴れるし、脚は重いし、中腰だし、脚1本やるだけでもみんなヘロヘロ~・・・
  
             ・・・って、一人だけカメラ目線の元気なMちゃん↓ 体力ありすぎ(笑)
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番外編 本日のMVP

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             普段は「チャラ男」と呼ばれている、写真嫌いのMくん。
             いつものチャラチャラ感(笑)を封印し、とっても熱心に削蹄していました。 
             その熱心ぶりに感動(?)して「写真撮らせて!」とお願いしたのですが、断られて
             しまったので、とりあえず「手だけ」ブログデビュー!!!